計画:日本近現代の展示施設 2
最近の一級建築士試験では、日本の展示施設について問われることが増えてきています。
なので、試験を受ける上で知っておきたい展示施設(1990年以降)をまとめました。
こちらも随時更新していきます。
◇水戸芸術館(1990)
水戸市政100周年の記念事業として作られた文化複合施設で、磯崎新さんの設計です。
劇場、コンサートホール、現代美術ギャラリー等がそれぞれ独立していながらも一体感を持っているのが、特徴的です。
音楽、演劇、美術のそれぞれに対応した文化施設となっています。
シンボルタワーは、正四面体を規則的に積み上げてできたもので、高さが100mあります。
◇丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(1990)
日本でも珍しい駅前にある美術館で、図書館が併設されています。
駅出口の目の前に広がる駅前広場と、美術館前の広場が一体となるようデザインされています。
美術館には門型の庇が設けられていて、庇の下には猪熊弦一郎によってデザインされた巨大な絵画があります。
建物エントランスは、この絵画部分に設けられています。
門型庇の作り出す内部でも外部でもない、中間領域が、訪れる人を巧みに建物へ導いてくれます。
建築・美術・都市が一体となった景観を作り出しています。
◇八代市立博物館
◇潟博物館(1997)
青木淳さん設計の博物館です。
周辺環境を色々な視点から眺められるように、建物内部に螺旋状のスロープが作られています。
このスロープ自体が展示室にもなっています。
最上階は展示ホールがあり、コンサートなどが開催されています。
◇茅野市民館(2005)
茅野駅に隣接して作られた劇場、音楽ホール、美術館、図書館で構成された複合文化施設で、設計は古谷誠章さんです。
建物には駅からのアプローチ部分にスロープが作られていて、図書スペースとして開発されています。
劇場は780人収容の多機能マルチホールで、様々なジャンルのイベントに使用することができます。
音楽ホールは300人収容のコンサートホール、美術館は常設展示と市民ギャラリーを持っています。
建物中心にあるロビーが、色々な機能を緩やかにつなぐ役割を果たしています。
◇国立新美術館(2007)
黒川紀章氏の設計で、大規模の美術館です。
森の中の美術館というコンセプトでつくられていて、波のようにうねる3次元曲線で作られたガラスのファサードが印象的です。
ガラスのファサードで覆われた空間は、巨大なアトリウムになっていて、存在する2つの逆円錐形の立体上部は、レストランやカフェとして利用されています。
各階の床は二重床になっていて、床吹き出し空調が設けられています。